【新劇:序を深堀り解説】初心者向け!『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のストーリー完全ガイド

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(Evangelion: 1.0 You Are (Not) Alone.)は、2007年に公開された「新劇場版」シリーズの第1作であり、物語の再始動を告げた作品です。TVアニメ版の序盤をベースにしていますが、映像の迫力が増しただけでなく、後の展開に向けた重要な伏線がいくつも張られています。

このブログでは、「何が起きたか」を中心に、初心者の方にも確実にストーリーが理解できるように詳しく解説します。

1. 舞台と背景:セカンドインパクトと第3新東京市

物語は、15年前に発生した地球規模の大災害「セカンドインパクト」によって総人口の半分が失われた世界から始まります。

📌 世界の状況

  • セカンドインパクトの影響: 海は赤く染まり(赤い海)、多くの地域が荒廃しています。映画の冒頭では、この被害の凄まじさが旧作以上にリアルに描写されています。
  • 第3新東京市: 巨大な使徒の襲来に備えて建設された要塞都市。地下には特務機関NERV(ネルフ)の本部が存在します。

📌 主人公・碇シンジの始まり

主人公の碇シンジは、父・碇ゲンドウの命令で第3新東京市にやってきます。

登場人物状況と感情
碇シンジ14歳の内気な少年。父に3年間も会っておらず、再会した父ゲンドウからの言葉は「エヴァに乗れ」という命令のみ。強烈な拒絶と孤独を抱えている。
葛城ミサトNERVの作戦部長。使徒襲来の現場でシンジを保護し、保護者として自分のマンションに同居させる。シンジに生きる意味と責任を諭す。
碇ゲンドウNERV総司令官。実の息子であるシンジに対しても冷徹に接する。「人類補完計画」を進めるNERVの最高責任者。

2. ストーリー前半:初号機の出撃と暴走

父ゲンドウに突き放され、エヴァに乗ることを拒否したシンジは、使徒の猛攻を目の当たりにし、そして満身創痍の綾波レイの姿を見て、運命を決断します。

  1. 第4の使徒(サキエル)の襲来: NERV本部へ向かう途中で、シンジは巨大な人型生命体である使徒の攻撃に遭遇。国連軍の核攻撃も通用しない使徒の圧倒的な強さを目撃します。
  2. シンジ、エヴァ初号機に搭乗: 負傷して動けないエヴァ零号機のパイロット、レイが初号機に乗ろうとする姿を見たシンジは、「逃げちゃだめだ」と自分に言い聞かせ、代わって初号機に乗り込みます。
  3. 使徒との初戦と敗北: 初めてエヴァに乗ったシンジは、使徒の猛攻に全く対抗できず、機体を破壊され、エントリープラグ(コクピット)を貫かれそうになる絶体絶命の危機に陥ります。
  4. 初号機の暴走: パイロットであるシンジの意識とは無関係に、初号機が制御不能な「暴走」状態となります。凄まじい生命力と力を見せた初号機は、使徒を文字通り粉砕し、倒します。

3. ストーリー中盤:日常と新たな使徒の出現

暴走の末に初めての戦いに勝利したシンジは、ミサトの家での生活を始めます。学校では、クラスメイトの鈴原トウジや相田ケンスケと友情を深め、束の間の穏やかな日常を過ごします。

  • 第5の使徒(ラミエル)の襲来: 平和な日常を打ち破るように、第5の使徒が出現。この使徒は、巨大な正八面体のような形状で、強力なビーム攻撃と絶対的な防御(ATフィールド)を持ちます。
  • 圧倒的な力の前に敗北: 初号機で迎撃に出たシンジですが、使徒の強力なビーム攻撃で大ダメージを負い、使徒の圧倒的な力の前に撤退を余儀なくされます。

4. クライマックス:ヤシマ作戦

第5の使徒に対抗するため、NERVは日本全土の電力を集めて一撃必殺を狙う**「ヤシマ作戦」**を発動します。この作戦は、シンジとレイの連携が鍵となります。

  • 作戦内容の詳細: 使徒がNERV本部へ掘り進む間に、日本中の発電所から集めた電力を超長距離送電し、エヴァが持つ**陽電子砲(ポジトロンライフル)**で、使徒のコアを精密狙撃する。
  • レイの役割: 2度目の攻撃のために、使徒の注意を引く「トリ」として、レイが乗る零号機が使徒の正面に立ちます。
  • 命を懸けた共闘: 1度目の射撃は失敗。使徒からの反撃ビームからシンジを守るため、レイは零号機を盾にして機体は大破。その姿を見たシンジは激しく動揺しますが、レイの決意に応えるため、最後の力を振り絞って2度目の射撃を成功させ、使徒を殲滅します。

5. 結末と次の物語への伏線

作戦終了後、ボロボロになった零号機からレイを助け出したシンジは、怪我で動けないレイの姿を見て、優しく抱きしめます。

シンジ:「ごめん…ごめんね、こんな時どんな顔すればいいかわからないの」

レイ:「…笑えばいいと思うよ」

このシーンは、心を閉ざしていたレイが、シンジとの命を懸けた共闘を通じて、初めて感情的な繋がりを持つことができた瞬間であり、シンジが「誰かのために生きる」喜びを明確に感じた瞬間です。

そして、物語の最後に渚カヲルが月の棺から目覚め、「また会えるよ、シンジ君」と意味深な言葉を残し、新劇場版が旧作とは異なる「繰り返しの物語」であることを示唆して、次作『破』へと続きます。

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